適切な量を食べること、栄養バランスがよいことが食事の基本。食べすぎや栄養の偏りは肥満や糖尿病やがんなどの生活習慣病を招きます。いつまでも元気でいきいきと過ごすために、食生活を見直しましょう。

朝食をとっていますか?


若い世代ほど朝食をとらない傾向にあります。朝食を食べないとエネルギーが不足するので、午前中の生産性が上がりません。また、1日の食事内容が同じでも、食べる時間や順番が違えば健康効果は変わってきます。まずは毎日、毎回の食事を大切に考えてみませんか。


毎日の食事を大切にするための、生活改善レシピを紹介します。
自分ができそうなことから選んで「トライ」してみましょう。

朝・昼・夕の1日
3回食事をとる

朝食を抜くと、昼食と夕食をドカ食いする傾向になり、太る原因となってしまいます。欠食があると体が飢餓状態と勘違いして、栄養を蓄えるようになり、脂肪をつけやすい体になります。また、朝食は体のリズムを整える働きもあります。食事は1日3回にし、量のめやすは朝3、昼4、夜3の割合でとるのが理想です。

私たちの体は、食事で得たエネルギーを昼間は活動に使い、夜間は脂肪などにして体内にため込みます。夜遅い時間の食事が太りやすいのはこのためです。夜遅くにたくさん食べ、朝食を抜くという食習慣の悪循環は、肥満や糖尿病につながります。夜間に仕事がある日は、残業や交代勤務前に軽食をとって調整し、深夜の食べすぎを防ぎましょう。

野菜や海藻類、きのこ
類から食べ始める


食事を食べ始めるとき、野菜、海藻類、きのこ類を最初に食べるのがおすすめです。これらは食べても血糖値が上がりにくく、あとから食べたものの吸収をゆっくりにします。また、食物繊維には少量でも満腹感を得られる効果があるため、食べすぎ防止につながります。

腹八分目でやめる


「腹八分目に医者いらず」ということわざがあるように、食べすぎないことが健康の秘訣です。食べ始める前に全体の量を見て、残す分を決めておくと食べすぎを防ぐことができます。



間食の回数や量を減らす


「ついつい甘いものを口に……」が習慣になっていませんか? 間食には気分転換や生活に潤いを与える効果もありますが、肥満を予防・解消したい場合は、回数や量を減らしましょう。 また、間食の時間や内容(質)を考えることも大切です。どうしても甘いものがほしいときは、脂肪を分解するホルモンの分泌が活発な午前中に食べましょう。糖分・脂肪分が高い洋菓子よりも和菓子がおすすめです。
もし、板チョコレート1/3枚(約100kcal)を毎日食べていたら、100kcal×365日≒36,000kcal。
体脂肪1kgは7,000kcalに相当するので、36,000kcal÷7,000kcal≒5.2kg。
1年で約5kgも体重が増える計算に!
このように、ちょっとした余分なエネルギーの積み重ねが肥満をつくっています。


外食時にメニューを見て何を選ぶか、また中食・お惣菜などをお店で見て選ぶとき、どのような選択をするかで、あなたの食生活および健康は変わってきます。あなたの選択眼や知識は正しいのか、登場人物と共に確かめてみましょう。

加羅田フトシ(からだ・ふとし)さんは特定健診で腹囲が85cmを超えてしまい、現在減量中。職場の同僚と昼食を食べに入ったのはスパゲティ専門店。一番エネルギー量が少ないメニューを選ぼうとしたのですが、フトシさんは何を選べばいいでしょうか。写真から選択してください。

①スパゲティナポリタン

②スパゲティミートソース

③スパゲティカルボナーラ

④スパゲティボンゴレ

⑤たらこスパゲティ

⑥和風スパゲティ


④スパゲティボンゴレ
生クリームを使った「スパゲティカルボナーラ」のエネルギー量は「スパゲティボンゴレ」の約1.5倍です。サラダも合わせて注文すると、より健康的ですね。
各エネルギー量
①スパゲティナポリタン:547kcal
②スパゲティミートソース:575kcal
③スパゲティカルボナーラ:682kcal
④スパゲティボンゴレ:450kcal
⑤たらこスパゲティ:477kcal
⑥和風スパゲティ:501kcal
※エネルギー量は材料や調理方法などにより異なります。目安としてご活用ください。
参考資料『栄養バランスまるわかりガイド』料理作成・栄養指導 宗像伸子 東京法規出版刊