新型コロナウイルス感染症の流行により、日々の生活や仕事の仕方が、これまでと変化した方は多いのではないでしょうか。しかし、食生活、身体活動(体を動かすこと)、睡眠などの生活習慣を整えることが健康な身体づくりに大切なのは、どんなに生活が変化しても変わりません。
健康づくりに効果的な生活習慣のポイントを、Q&A形式でご紹介していきます。

第1回

健康管理の基礎知識

日本人はどんな病気で亡くなっているのか、どんな生活習慣が健康に影響するのか、病気や健康についての基本を知ることから始めましょう!

日本人はどんな病気で亡くなっている人が多いの?

日本人の死因の約半数を占めるのが、がん、心臓病、脳卒中です

がんは1981年以降ずっと日本人の死因の第1位です。2位以下の心臓病と脳卒中は、高血圧や高血糖、脂質異常などによる動脈硬化(血管の老化現象)が原因で発症する「循環器病」です。

グラフ:日本人の死因トップ10

病気の発症と生活習慣は関係するの?

健康によくない生活習慣は積み重なると重大な病気につながるなど、体に様々な影響を与えます

イラスト:医者

好ましくない生活習慣の積み重ねによって起こる病気の総称を「生活習慣病」といい、がんや心臓病、脳卒中などのほか糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などがあります。
近年は、ウイルスや細菌などによる「感染性」に対して、生活習慣によって発症する病気を「非感染性疾患」というようになってきています。

死亡の原因になりやすい生活習慣は?

とくに注意が必要なのは喫煙と運動不足(身体不活発)です

イラスト:喫煙者

死につながる生活習慣を調べたのが下記のグラフです。これらの生活習慣を予防することが健康づくりにつながります。

グラフ:わが国におけるリスク要因別の関連死亡者数-男女計(2007年)

健康寿命と平均寿命って何が違うの?

健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることのない期間」のこと

平均寿命が男女とも80歳を超え、世界有数の長寿国とされている日本。しかし最後の10年前後は「寝たきり」など体に不自由のある状態で過ごす人が多いというのが現状です。

グラフ:平均寿命と健康寿命の差

寝たきりにならないために大切なことは?

生活習慣病の予防に加えて「フレイル」を防ぐことが大切です

イラスト:フレイルの予防

加齢にともない、気力や体力など心身の活力が低下した状態を「フレイル(衰弱)」といいます。高齢期の健康づくりには、心臓病や糖尿病など持病の悪化を防ぐことに加え、フレイルの予防・改善が重要になってきます。フレイルを防ぐためには、日常的に体を動かすこと、健康的な食生活を送ること、口の機能を保つこと、そして地域や趣味の活動などの社会参加をすることが大切です。

手軽に・簡単に作れるひと皿レシピ 手軽に・簡単に作れるひと皿レシピ

第1回高血圧が気になる人への  ひと皿レシピ

朝食メニュー納豆ばくだん丼

朝食を抜くと血圧が上がりやすくなります。空腹によるストレスで交感神経(心拍数や血圧を上げるなどの全身の活動力を高める神経)が刺激されるからです。栄養バランスよく、塩分を控えた朝食を摂りましょう!

写真:納豆ばくだん丼

食塩相当量:0.9g
エネルギー:421kcal

材料・1人分
  • ごはん…150g
  • 納豆…1パック
  • 温泉卵…1個
  • 冷凍オクラ…大さじ2
  • とろろ(既製品)…大さじ2
  • 刻みたくあん…大さじ1
  • 刻みのり…少々
  • [調味料]
    納豆のタレ…1袋
つくりかた
  1. 納豆は納豆のタレと混ぜ合わせる。
  2. 器にごはんを盛り付け、1、冷凍オクラ、とろろ、刻みたくあんをのせ、中心に温泉卵をのせ刻みのりを添える。
調理・栄養のポイント

温泉卵は生の卵からでも1分以内で作ることができます。
耐熱カップに卵を割入れ、つかるくらいの水を加えます。つまようじで卵黄に2箇所穴をあけ(しっかり刺さないと破裂の原因になります)、電子レンジ600Wで40秒~お好みの固さまで加熱します。