第1回
健康な心身は、健康なお口から
第1回
健康な心身は、健康なお口から
歯と口は食べること、話すこと、体のバランスをとることなど、健康で豊かな毎日を支える大事な器官です。歯と口の健康を保つことは、心身の健康の基盤、人生を楽しむための基盤です。

歯の基礎知識
歯の本数

歯の構造
歯の汚れのおもな種類
■歯垢(別名プラーク)
白色や黄色のネバネバした歯の付着物だが、食べかすではない。
その正体は、むし歯菌、歯周病菌などの細菌が繁殖して集まったもの。放置すると歯石になってしまう。
うがいや洗口液では取れないが、歯ブラシで取れるため、きちんと歯みがきして取り除くことが大切。
■歯石
歯垢がだ液中のミネラル成分と結びつき、硬い石のようになって歯にこびりついたもの。
歯みがきでは取り除けないので、歯科医院で専門の器具を使って取ってもらう必要がある。
歯と口が健康だと……

- 健康になる
 - 何でも食べることができ、栄養を十分に摂取できるため体力がアップ。病気に対する免疫力や抵抗力も高まります。
 
- 人付き合いが
豊かになる - 食事を楽しみ、滑舌がよく、豊かな表情になるので、外出・交流・活動の意欲が高まって心も体もイキイキ元気になります。
 
- 脳の働きが
よくなる - よくかむことができるので、脳への血流量が増え、脳が活性化します。学習や仕事の効率が上がり、認知症も予防します。
 
- 見た目が
よくなる - かむ力があるとフェイスラインが引き締まり、かみ合わせがよいと全身の姿勢がよくなります。
 
- だ液が
よく出る - だ液のもつさまざまな健康効果が、お口と全身の健康を守ります。
 
健康を支えるスーパー分泌液だ液
- ●味を感じやすくする
 - ●口のなかの汚れを洗い流す
 - ●栄養素を消化しやすい形に変える
 - ●粘膜の乾燥を防ぐ
 
- ●細菌の増殖を防ぐ
 - ●歯を溶かす酸を中性に戻す
 - ●歯の表面の傷を修復する
 - ●活性酸素※を消す
 - ※がんや老化、動脈硬化の原因となる
 
歯と口が不健康だと……

- 口のなかの
トラブルに悩む - 歯周病菌やむし歯菌が増殖して、歯や歯ぐきの痛みや歯の喪失が起こり、口臭や口内炎なども起こりやすくなります。
 
- 食べる楽しみを
失う - 歯や口のトラブルのため、「おいしく食べること」が困難になり、食べる喜び(生きる意欲)が低下してしまいます。
 
- 病気にかかり
やすくなる - 食べられないものが増えると、栄養バランスが偏るため、体力と病気への抵抗力が落ちます。
 
- 社会との
つながり
が
希薄になる - 会話に支障が生じやすくなることからコミュニケーションの機会が減少し、心の健康にも悪影響を及ぼします。
 
- 口元や顔の
かたちが変わる - 口周囲の筋肉が緩むため、豊かな表情や笑顔が作りにくくなってしまいます。
 
食事のおいしさの感じ方別に見た、
歯の平均本数

資料:公益財団法人8020推進財団 指定研究事業報告2007
食塩のとりすぎは、高血圧をはじめさまざまな病気のリスクを高めます。健康に長生きするためには減塩が欠かせません。減塩は少しの工夫で、なおかつおいしく行うことができます。ぜひ、減塩をはじめましょう!



