第3回
歯と口の病気(2) 歯周病ってどんな病気?
歯を失う原因の約4割を占めているのが歯周病です。放っておくといつの間にか歯が抜けてしまいます。歯周病の進行や予防法について詳しく学んでいきましょう!
歯周病ができるまで

プラーク*(歯垢)がたまり、そこに住みついた歯周病菌が歯と歯ぐきのすき間に侵入する。

歯肉炎
侵入した歯周病菌によって歯ぐきが炎症を起こし、歯と歯ぐきの境目が深くなり、「歯肉ポケット」ができる。

歯周炎
炎症が広がって「歯肉ポケット」が深くなり、「歯周ポケット」になる。歯の周りの骨が溶け、歯ぐきの毛細血管が壊れて出血する。ここから歯周病菌が血液に侵入し、全身に影響を及ぼす。
*むし歯菌が糖分を使用して、プラークを作る
歯周病の進み方
あなたの歯と口の状態は大丈夫ですか? まずは自分でチェックしてみましょう!
歯肉炎
- 状態
- プラークやそれが石灰化した歯石がたまり、歯ぐきが赤くはれて歯肉ポケットができる
- 症状
- 歯みがきをすると出血する
- 治療
- 歯みがき指導と歯石除去

軽度歯周炎
- 状態
- 歯肉ポケットが深くなり、歯周ポケットになる
歯を支える骨が溶けはじめ、歯がぐらつきだす
- 症状
- 歯みがきをすると出血する
- 治療
- 歯みがき指導と歯石除去

中等度歯周炎
- 状態
- 歯を支える骨がさらに溶け、歯が大きくぐらついてくる
- 症状
- さらに歯ぐきから血やうみが出やすくなり、口臭もひどくなる
- 治療
- 歯みがき指導と歯石除去に加えて、手術などの処置が必要なこともある

重度歯周炎
- 状態
- 歯を支える骨が1/2以上溶けて、歯根が露出する
- 症状
- 食べ物をうまくかめず、歯が抜けることもある
- 治療
- 多くの場合、歯を抜くことになる

どうやって歯周病を予防するの?

歯みがきでプラークを除去
毎食後、歯みがきをしましょう。

歯科健診で早期発見、治療を
歯周病は自覚症状が少ないため、放置しがちです。歯医者さんによるプロのチェックが必要です。

たばこを吸わない
たばこを吸う人は、歯周病にかかりやすくなることがわかっています。歯周病にかかる危険は、1日10本以上吸うと5.4倍に高まります※。
※日本臨床歯周病学会ホームページより

肥満を解消
脂肪細胞から出る物質が歯周病による炎症を悪化させ、歯を支える骨を溶かす作用を進めます。

免疫力をアップする
規則正しい生活習慣で免疫力を高め、歯周病への抵抗力を高めましょう。
歯周病と糖尿病のおそろしい関係
現在、歯周病はさまざまな全身の病気と関係していることがわかっています。その1つが国民病とも呼ばれる糖尿病です。糖尿病の人はそうでない人にくらべて、歯周病にかかりやすいことがわかっています。また最近では、歯周病患者では糖尿病が悪化するという、逆の関係も明らかになっています。



食塩のとりすぎは、高血圧をはじめさまざまな病気のリスクを高めます。健康に長生きするためには減塩が欠かせません。減塩は少しの工夫で、なおかつおいしく行うことができます。ぜひ、減塩をはじめましょう!