第10回
家族で学ぼう!年代別ケア・1
妊娠期・乳幼児期・学童期・思春期
妊娠期のお口のケア
お母さんのむし歯や歯周病が赤ちゃんにも影響
歯周病にかかっていると、早産(22~36週で出産)や低体重児出産(出生体重2,500g未満)につながりかねません。妊娠中は、生まれてくる赤ちゃんのためにも、これまで以上に歯・口のケアに努めましょう。

妊娠中にむし歯や歯周病にかかりやすい理由
女性ホルモンが増える
女性ホルモンが急増することで歯周病菌が増殖し、歯周病になりやすい
だ液が減る
だ液の自浄・殺菌作用が働かず、口の中が汚れやすい
歯みがきが不十分
つわりの影響で歯みがきがおろそかになりやすい
食事の回数が増える
つわりなどで、「だらだら食べ」になりやすく、口の中に食べかすが残りやすい


栄養バランスのよい食事が赤ちゃんの強い歯をつくる
妊娠中のお母さんのとった食事の栄養が、おなかの赤ちゃんの歯や体をつくります。生まれてくる赤ちゃんのためにも、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

乳幼児期のケア
ポイント❶ 「食べたらみがく」習慣を!
食事やおやつは、できるだけ決めた時間にとり、食べたら歯みがきをする習慣を身につけましょう。早寝・早起きをすると、自然と三度の食事をとるリズムが整います。規則正しい生活は、子どもの心身の発達に良いだけでなく、歯みがきの習慣も身につきやすくなります。

ポイント❷ おやつは糖分の少ないものを
早いうちから甘い味に慣らさないようにし、おやつや飲み物は、糖分の少ないものを選びましょう。

学童期、思春期のケア
矯正治療を検討しよう
歯並びやかみ合わせが悪いと、むし歯になりやすい、発音が不明瞭になりやすいなどの悪影響を及ぼします。また、見た目の悪さが劣等感やストレスにつながることも。
矯正治療は、あごの成長期である12 歳ごろまでに始めたほうが良いともいわれており、気になる場合は、一度歯医者さんに相談しましょう。

口呼吸が歯と口のトラブルの原因に!?
口呼吸をすると、口の中が乾き、だ液の洗浄・抗菌作用が弱くなるため、むし歯や歯周病になりやすく、口臭も出やすくなってしまいます。思春期は、口臭が気になる人が多い時期です※。意識して鼻呼吸しましょう。
※日本学校保健会「思春期の学校歯科保健推進委員会報告書」(平成26年)

鼻呼吸へ改善!
○鼻づまりがある場合は耳鼻科で治療する
○食事の際は、姿勢を正して口を閉じ、ひと口30回ほど両側でかんで食べる
○鼻孔拡張テープなどの鼻呼吸促進グッズを利用する

食塩のとりすぎは、高血圧をはじめさまざまな病気のリスクを高めます。健康に長生きするためには減塩が欠かせません。減塩は少しの工夫で、なおかつおいしく行うことができます。ぜひ、減塩を始めましょう!