【特集】メンタルヘルス対策 学生・働き世代のための、心の健康を自分で守る方法

不眠に悩んでいませんか?

睡眠不足が生活習慣病やうつ病のリスクに

日々の睡眠不足が借金のように積み重なることを「睡眠負債」といいます。睡眠負債がたまると、日中に眠気を感じるだけでなく、免疫力が低下したり、意欲低下、記憶力減退など、心身に悪影響が出ます。さらには、糖尿病、心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病、がんや認知症、うつ病にもかかりやすくなります。
休日に寝だめをしてしまう人は睡眠時間が不足している証拠です。毎日少しでも睡眠時間を確保しましょう。

ストレスが現れやすいのが睡眠

「眠りたいのに眠れない」「もっと眠りたいのに目が覚める」といった睡眠についての悩みを抱える人も少なくありません。ストレスや悩みがあると、一時的に眠れなくなることはよくあることですが、2週間以上不眠が続くような場合はうつ病のサインかもしれません。
うつ病は、ストレスや過労などにより脳のエネルギーが低下し、「気分が落ち込む」「やる気がでない」などのうつ状態が続いて日常生活に支障をきたす病気です。

うつ病のセルフチェック

次のうち、少なくとも①と②のどちらかを含んで3つ以上が当てはまり、その状態が2週間以上続いていたら、要注意です。

  • ①ほとんど1日中、ずっと憂うつであったり沈んだ気持ちだ
  • ②ほとんどのことに興味がもてない、または大抵いつもなら楽しめていたことが楽しめない
  • ③睡眠に問題がある(寝つきが悪い、睡眠中に何度も目が覚める、早朝に目が覚める、寝すぎてしまう)
  • ④自分に価値がないと感じたり、罪の意識を感じたりする
  • ⑤集中したり決断したりすることが難しいと感じる
BSID(Brief Structured Interview for Depression)

ぐっすり眠るための12のアドバイス

生活のリズムを整え、リラックスした状態をつくることで、睡眠習慣を改善することができます。睡眠習慣改善のための指針を次に示しますので、できることから取り入れてみてください。

睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ十分。
睡眠時間は個人や季節ごとに変化します。また、年齢を重ねると睡眠時間は短くなります。
刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法。
就寝前4時間のカフェイン摂取、就寝前1時間の喫煙は避けましょう。軽い読書、音楽、ぬるめの入浴など、自分がリラックスできる方法を試してみましょう。
眠くなってから床に就く。就床時刻にこだわりすぎない。
眠ろうとする意気込みが頭をさえさせて、寝つきを悪くします。
同じ時刻に毎日起床。
早起きが早寝につながります。
光の利用でよい睡眠。
目覚めに日光を浴びると、体内時計のスイッチが入ります。夜は照明を明るくしすぎないように。
規則正しい3度の食事。規則的な運動習慣。
朝食は心身の目覚めに重要です。夕食は軽くしましょう。運動習慣は熟睡をもたらします。
昼寝をするなら、15時前の20~30分。
夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を与えます。
眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに。
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減ります。
睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意。
背景に睡眠の病気があり、専門の治療が必要な場合があります。
十分眠っても日中の眠気が強いときは専門医に。
長時間眠っても日中の眠気で仕事や学業に支障がある場合は専門医に相談してください。
睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。
寝酒は深い睡眠を減らし、夜中に目が覚める原因となります。
睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全。
一定の時刻に服用し就床する、アルコールといっしょに飲まないなど、指示を守れば安全です。
厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費
「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」
平成13年度研究報告書より

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健康リスクが高まる「睡眠負債」の予防法や、睡眠の悩みについて掲載

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