一覧
パーキンソン病神経変性メカニズムにmDNA関与<新潟大学脳研究所>
5月25日、新潟大学脳研究所脳病態解析分野の松井秀彰教授らの研究グループは、ミトコンドリアDNAが細胞質に漏出することで炎症反応や細胞死、神経変性が惹起されていることを、培養細胞やゼブラフィッシュなどの様々なパーキンソン病モデルで明らかにしたことを発表した。また、そのミトコンドリアDNAの細胞質漏出のセンサー阻害や細胞質ミトコンドリアDNAの分解促進により、その病的な状態が改善することを見出した。さらに、ヒトパーキンソン病剖検脳でも、漏出したミトコンドリアDNAやそのセンサーであるIF116の蓄積を認めた。これらの結果から、パーキンソン病の病態形成に、ミトコンドリアDNAの細胞膜への漏出が関与していることが示唆されたとしている。
研究グループは、この研究の成果がパーキンソン病の治療開発につながることへの期待を示すとともに、同様のメカニズムを持つ疾患がある可能性があるとして、さらなる研究を進めるとしている。
→ 新潟大学脳研究所 研究成果・実績