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妊娠中の母親の喫煙が児の喘鳴、喘息に影響<富山大学>

6月14日、富山大学小児科学講座和田拓也氏らは、妊娠中の母親の喫煙による出生児の喘鳴および喘息への影響を検討した結果を発表した。研究では、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加した母児9万210組を対象に、喫煙への曝露状況(〔1〕母親の妊娠中の能動喫煙〔2〕母親の妊娠中の受動喫煙〔3〕出生児の受動喫煙)と出生児の喘鳴および喘息の発症リスクとの関連を検討。母親の喫煙状況、妊娠中の母親の受動喫煙の頻度、出生児の受動喫煙状況(曝露の有無と場所)のほか、出産年齢、妊娠前の母親のBMI、母親の身体活動、母親の飲酒状況、母親のアレルギー歴、児の性などを調整後した解析結果では、母親の妊娠中の能動喫煙と出生児の1歳時点での喘鳴の発症リスクとの間に有意な正相関が示された(傾向のP<0.0001)。喘息の発症リスクとの間にも同様の関連が認められた(傾向のP=0.0005)。また、妊娠初期に禁煙しても、出生児の1歳時点での喘鳴発症リスクは高まることが示された〔調整オッズ比(aOR)1.188、95%CI 1.109~1.272、vs. 喫煙歴がない母親〕。
和田氏らは「現時点では、妊娠中のどの時期での喫煙が胎児に影響を及ぼし、出生児の喘鳴や喘息の発症に関連するかについて統一見解は得られておらず、さらなる研究が必要だ」との考えを示した。

富山大学 プレスリリース