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希少糖尿病に対するSGLT2阻害薬の有効性・安全性を確認<神戸大学>
神戸大学は9月3日、同大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門の小川渉教授らの研究グループが、希少疾患であるインスリン抵抗症および脂肪萎縮性糖尿病の患者に対するSGLT2阻害薬エンパグリフロジンの治験で、有効性および安全性が世界で初めて確認されたと発表した。全国5大学病院において、対象患者8例に対し同剤10mg を1日1回経口投与(効果の不十分な例には25mgに増量)した結果、24週間後におけるHbA1c値は、治療前と比較し平均で約1%低下した(8.46±1.45%→7.48±1.26%)。またインスリンを使用していた患者では、その平均使用量が約30単位減少した (116.5±38.9単位→89.0±52.3単位) 。インスリン抵抗症および脂肪萎縮性糖尿病は、強いインスリン抵抗性を示す稀な糖尿病であり、従来の経口血糖降下薬では効果が不十分な例が多く、多量のインスリン皮下注射の必要がある。今回の結果について研究グループでは「エンパグリフロジンが、希少糖尿病の治療の選択肢となることを示した」としている。
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