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2型糖尿病の外科手術 薬物治療より優れた効果<J&J>
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカル カンパニーは10月19日、軽度肥満を伴う2型糖尿病患者を対象に、減量・代謝改善手術と薬物治療の効果を比較検討する研究結果を発表した。手術群は、医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブの患者データから、薬物治療群は株式会社JMDCの保険者データベースから抽出し、レトロスペクティブに治療効果を比較した。その結果、治療後1年目の糖尿病寛解(糖尿病治療薬を使用せずにHbA1c<6.5%となった状態)率は、手術群59%に対し薬物治療群は0.4%、また治療前と治療後1年目における月間薬剤費(中央値)の変化については、手術群では12,650円から0円に減少したのに対し、薬物治療群では5,240円から5,830円に増加した。同社ではこの結果について、軽度肥満を伴う2型糖尿病患者に対する外科的治療は、薬物治療と比べて血糖改善効果と医療経済効果の両面で優れていることが示唆されたとしている。肥満症に対する外科的治療としては、胃の容量を小さくしたり、小腸の一部に物が通らないようしたりするバイパス手術がある。日本では2014年にBMI35以上の高度肥満症患者で保険適用となり、2020年にBMI32.5以上で血糖コントロール不良の糖尿病患者までに保険適用の対象が拡大されている。
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