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高齢者施設の回廊構造 新型コロナ集団感染に関係<電通大>

電気通信大学は2月17日、新型コロナ感染防止対策として部屋の換気を行うことが、方法次第ではマイクロ飛沫の移動を引き起こし、集団感染の一因となる可能性があるとする研究結果を発表した。同大の研究グループは、実際にクラスターが発生した宮城県内の高齢者施設において、CO2トレーサガス法で気流を調査したところ、感染者が入居していた個室から隣接するデイルームに向かって、換気扇により緩やかな気流が発生していることを発見。さらに個室から漏れ出したエアロゾルは1分程度でデイルームに到達し、そこに滞在する複数人に再吸入された可能性があることを、コンピュータによる熱流体シミュレーションで明らかにした。ちなみにこのデイルームは、ビル管理法の基準に適合した換気量を確保し、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が定める換気回数の基準にも適合していた。この結果を踏まえ研究グループでは、「回廊を中心として共用エリアと私的エリアが繋がっているという高齢者施設に特有の空間設計においては、換気能力のみならず、風の流れを考慮した感染症対策が必要」とし、今後、関連ガイドラインの見直しと、既存建物における気流改善の必要性を提言していく意向を明らかにしている。

ニュースリリース【PDF】