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糖尿病性腎症を悪化させるたんぱく質を発見 <日本大学>
日本大学は8月11日、同大とハーバード大の研究グループが、糖尿病性腎症の悪化に関与するたんぱく質を発見したことを明らかにした。研究グループはまず、米国の糖尿病患者754人の、腎機能が保たれている段階での血液検体を使用し、TGF-βシグナル(腎臓の線維化を中心的に担うメディエーター)に関連するたんぱく質25種を測定。その後10年以内に末期腎不全に至った患者とそうでない患者群を比較したところ、前者ではNBL1と呼ばれるたんぱく質の血中濃度が上昇していた。さらに糖尿病性腎症患者の血中NBL1濃度と腎組織の障害の程度について解析したところ、血中NBL1濃度と、ポドサイト(糸球体上皮細胞)の障害や腎線維化の所見との間に強い相関関係が認められ、NBL1の発現量が腎組織障害の程度に影響を与えている可能性が示唆された。研究グループは、「今後、NBL1を標的とした治療を開発することで、末期腎不全の発症リスクを低下させることが期待できる」としている。
→ ニュースリリース【PDF】