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赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒントを発見<理研>
理化学研究所は9月14日、脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーらの国際共同研究グループが、科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒントを発見したと発表した。黒田氏らは2013年、親が赤ちゃんを運ぶとおとなしくなる「輸送反応」をマウスとヒトにおいて発見したが、この研究では、運ぶ時間が約20秒間と短く、かつ運ぶのをやめると赤ちゃんは再び泣き出すという課題があった。今回、研究グループは、生後7カ月以下の赤ちゃん21人とその母親の協力を得て、母親の動きと抱っこの有無を組み合わせた4つのタスクをランダムに行ってもらい、その時の赤ちゃんの状態と心電図を記録・分析した。結果、赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことを発見した。また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くときは、眠り始めから座って5~8分間待ってからベッドに置くことで、赤ちゃんが起きにくくなることもわかった。この研究成果について同研究所では、「赤ちゃんの泣きに困る養育者のストレスの軽減や、虐待防止につながると期待できる」としている。
→ 研究成果(プレスリリース)2022