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新型コロナ感染者の致死率、パンデミック当初の30分の1まで低下<横浜市立大>
横浜市立大学は10月20日、同大附属病院化学療法センター・堀田信之センター長らの研究グループが、新型コロナウイルス感染者の致死率が、パンデミック初頭から30分の1以下に低下したことを明らかにしたと発表した。研究グループは、米国ジョンズ・ホプキンス大学から、2020年1月26日~2022年8月21日までの週間新規発症数および死亡数の提供を受け、致死率(感染者のうちの死亡者の割合)を算出した。致死率は、診断から死亡までのタイムラグを考慮し、「1週間の死亡数」を「2週間前の新規発症数」で割った値とし、対数変換した後、線形回帰モデルを適用した。全世界および人口上位11カ国のデータを分析した結果、世界の新型コロナによる致死率は、2020年2月の8.5%から2022年8月の0.27%まで低下した。2.5年間の推定相対リスク減少率は96.8%(95%信頼区間[CI]95.6-97.6、P < 0.001)だった。パンデミック期間中に90%以上の相対リスク低下が見られたのは、中国(97.2%)、アメリカ(90.4%)、ブラジル(93.6%)、メキシコ(96.7%)、日本(98.4%)だった。堀田氏らは、「新型コロナウイルスの致死率は2年半の経過中に徐々に低下しており、インフルエンザにおける致死率(0.05-0.5%と推定)に近づいている。その原因として、ワクチン接種のひろがりや治療の効果、感染による免疫獲得、ウイルス自体の弱毒化などの複合的効果が推測される」としている。
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