一覧
DPP-4阻害薬、他の糖尿病薬と比較して膵がん発症のリスクは上昇させない<岐阜大>
岐阜大学は10月25日、同大学院のグループが、DPP-4阻害薬の使用が他の経口糖尿病薬と比較し、膵ガンの発症リスクを上昇させないことを、医療ビッグデータの解析により明らかにしたと発表した。研究では、2009年12月から2019年6月までの健保組合加入者の全レセプトと健診結果から、DPP-4阻害薬を新たに開始した61,430人と それ以外の経口糖尿病薬を開始した83,204人を抽出し比較した。結果、膵ガンの発症頻度や膵癌を発症するまでの期間について、有意な差を認めなかった。膵ガンのリスクとなる加齢や性別、膵疾患(膵管内乳糖粘液性腫瘍や慢性膵炎、膵嚢胞)、アルコール多飲を考慮しても、同様の結果となった。DPP-4阻害薬の安全性は治験や市販後調査で確認されてきたが、実験動物を用いた一部の研究結果から、膵ガンの発症リスク上昇を危惧する声があった。このことを踏まえ研究グループでは、「諸外国に比して DPP-4阻害薬を使用する糖尿病患者が圧倒的に多いわが国において、他の経口糖尿病薬と比較し、膵がんの発症リスクを上昇させないことを明確化した本研究成果は意義深いものと考える」としている。
→ プレスリリース【PDF】