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糖尿病性認知症を早期に反映するバイオマーカーを発見<京都医療センター>

国立病院機構京都医療センターは11月1日、臨床研究センター内分泌代謝高血圧研究部・浅原哲子部長らの研究チームが、糖尿病に合併する認知症を簡単に予測できる血液のバイオマーカーとして、sTREM2というたんぱく質の重要性を世界で初めて明らかにしたと発表した。研究チームは認知症外来通院患者(糖尿病患者・非糖尿病患者)を対象に、認知症(アルツハイマー型及び血管型認知症)に関連する血液バイオマーカーと認知機能との関連を検討。脳内の老廃物などを掃除するミクログリア細胞の機能を反映する血中sTREM2、および世界標準となっているアルツハイマー病の多項目血液バイオマーカーを測定し、認知機能障害の程度によって分類した正常群・軽度認知障害群・認知症群の間で、これらの血液バイオマーカーの変動を解析した。その結果、糖尿病の認知症発症を最も早期に反映する指標は血液中のsTREM2の減少である可能性を、世界で初めて明らかにした。さらに、sTREM2の低下の後に続く変化として、その他のバイオマーカーが「糖尿病性認知症」の特徴に合致した変動を示すことも確認した。この成果について研究チームでは、「血中sTREM2 の測定は、認知症発症リスクの高い糖尿病患者を認知症発症以前の超早期に、簡便かつ客観的に同定することができる血液バイオマーカーとして極めて有用であると考えられる」「糖尿病患者で血中sTREM2 が高値の患者を対象に予防的介入を行うことで、認知症リスク低減に寄与できる可能性が期待される」としている。

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