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ストレスがエピゲノムを介して老化を制御する仕組みを解明<慶應大>

慶應義塾大学は1月20日、同大医学部の早野元詞特任講師と米ハーバード大との共同研究グループが、DNA 損傷によって誘導されるエピゲノムの変動が後天的に老化を制御する仕組みを明らかにしたと発表した。研究グループは、新しい老化のモデル動物である ICE(for Inducible Changes to the Epigenome)マウスを作成、短期的なDNA 損傷が与える長期的影響に関する観察を通じ、次の4点を報告した。▼廊下の速度やタイミングを決定するのは、DNA配列の変化や遺伝子変異の蓄積ではなく、遺伝子の使い方を決めるエピゲノムである▼ストレス(DNA損傷)は、エピゲノムとして細胞や臓器の中で記憶されて老化を制御する▼生物学時計はストレスによって加速するが、Oct4, Sox2, Klf4(山中因子)によって巻き戻すことが可能▼エピゲノムを介した遺伝子の使い方に異常が生じて、脳や筋肉などの臓器機能が低下する。どの遺伝子を適切に使用するのか、という個々の細胞や臓器の特性(アイデンティティ)が喪失されることが老化の原因になる――。研究グループでは、この成果を踏まえ、今後、本研究成果が老化や疾患を予測する技術の開発や治療法の開発に発展することが期待されるとしている。

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