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中鎖脂肪酸とその受容体に、肝機能保護作用を見出す<京都大・農工大>

京都大学と東京農工大は1月18日、両学の研究グループが、過食・高脂肪食摂取により誘導される脂肪毒性から、生体内でその時、産生される中鎖脂肪酸とGPR84受容体が、肝機能保護に働くことをマウス実験によって明らかにしたと発表した。肥満などの代謝性疾患は脂肪肝(一部は、非アルコール性脂肪肝炎:NASH)を招き、肝硬変・肝がんへ移行するが、その正確な進展機序は不明なままだった。GPR84は中鎖脂肪酸の受容体と考えられており、研究グループは以前、経口摂取した中鎖脂肪酸油(MCTオイル:特にカプリン酸C10:0)が、GPR84を介した腸管ホルモン分泌により血糖上昇を抑制することを明らかにしたが、その生体内における生理的意義は不明なままだった。今回の研究では、高脂肪食摂取から肝臓で高産生された中鎖脂肪酸がGPR84に作用することで、マクロファージの過剰な活性化を抑制し、脂肪肝から進展する肝臓の炎症とそれに伴う肝線維化を防ぐことが見出された。さらにNASHモデルマウスに対し、カプリン酸(C10:0)MCTオイルを食事へ補充したり、GPR84作動剤を投与したりしたところ、NASHへの進展が著しく抑制されたという。研究グループでは、「MCTオイルによる肥満・糖尿病とその関連疾患の予防、GPR84を標的とした、NASH治療薬の開発に向けて今後、本成果の応用が期待される」としている。

プレスリリース 京都大
プレスリリース 農工大