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記憶が精神疾患を誘発するメカニズムを解明<東北大>
東北大学は4月21日、同大学院薬学研究科と東京大大学院薬学系研究科の研究グループが、記憶が精神疾患を誘発するメカニズムを解明したと発表した。研究グループでは、精神的ストレスに曝されたマウスから、海馬の脳波を記録した。その結果、ストレス負荷を経験した後に、さらにその記憶を脳内に固定するために重要な脳波(リップル)を多く発生させたマウスほど、うつ様の精神症状を生じやすいことがわかった。また、こうしたリップルの発生頻度を、ストレス後の運動などによって軽減すると、精神症状の発症が抑制されることも明らかになった。この成果について研究グループでは、「ストレス応答性の精神症状を記憶能力や性格傾向の側面から考える重要な契機となる。また、運動が精神衛生上の良い効果をもたらす理由を説明できる研究成果であり、さらに検証を重ねることで、現代社会の精神衛生の向上への寄与も期待される」としている。
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