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レムデシビルの心機能への副作用、その発症機序を解明<東北大、九州大など>
COVID-19治療薬のレムデシビルは、洞性徐脈や低血圧、QT時間延長など心機能への副作用をもたらすが、発症機序は明らかではなかった。この発症機序について東北大学は5月16日、同大と九州大などによる共同研究チームが明らかにしたと発表した。研究チームは、レムデシビルが心筋の細胞膜に存在する受容体に作用することで副作用をもたらしていると予測。350種類近い受容体に対する活性能を調べたところ、心血管の収縮などの作用を持つ「ウロテンシン受容体」に活性を有していることがわかった。マウスを使った実験や、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の心筋細胞を使った実験でも、心機能への影響が生じることを確認。また受容体の反応を抑える薬剤の投与で、副作用が低減することもわかった。研究チームでは、「この受容体経路を抑制することで、レムデシビル使用による副作用の改善が期待できる」としている。
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