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受動喫煙による肺がん遺伝子変異、予後悪化<国がん・東京医科歯科大>
国立がん研究センター研究所と東京医科歯科大学は4月16日、受動喫煙は能動喫煙とは異なるタイプの遺伝子変異を誘発すること、その変異は、初期の腫瘍細胞の悪性化を促すことで発がんに寄与することを明らかにしたと発表した。共同研究チームは、国がん中央病院で手術を受けた非喫煙者女性291人、能動喫煙者女性122人の肺腺がんについて、ゲノム全体にわたる変異を同定。その結果と受動・能動喫煙歴を掛け合わせて分析したところ、10歳代、30歳代のいずれか、あるいは両方で受動喫煙を受けていた(月に1~2日から毎日まで)人に生じた肺がんでは、受動喫煙を受けていない人の肺がんと比べて、より多くの遺伝子変異が蓄積していた。また、受動喫煙者では、能動喫煙者の肺がんで見られるタイプの変異がごく稀にしか見られず、受動喫煙者に多く見られた変異のタイプは、抗がん薬が早い段階で効かなくなってしまうなど、予後を悪くするタイプであったという。研究チームでは「受動喫煙回避が、肺がん予防において重要であること示すもの」としている。
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