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やせ型糖尿病のモデル動物の開発に成功<理研・京都大>
理化学研究所(理研)と京都大学は8月12日、両者の共同研究グループが、やせ型糖尿病モデル動物の開発に成功したと発表した。共同研究グループは、糖質や脂質の代謝がヒトに類似しているといわれているゴールデンハムスターを用いて、卵管内ゲノム編集法(i-GONAD法)により糖尿病の原因遺伝子の一つであるIRS2遺伝子を働かないようにする1匹のKOハムスターを作出、そのKO個体を用いた交配によりIRS2 KO系統を樹立した。ホモ型KOハムスターは、ヘテロ型KOおよび野生型ハムスターに比べ、生後から継続的に低体重を示す一方、血糖値・HbA1cは野生型に比べて有意に高くなっていたという。またグルコース負荷試験、インスリン耐性試験でもホモ型KOハムスターは、インスリンを分泌する膵臓β細胞の機能が不十分であることが示唆される結果を示した。共同研究グループでは、「今回開発したハムスターは、(やせ型糖尿病が多い)日本における糖尿病の発症機構の解明や治療法の開発に用いることができる貴重な実験モデル」としている。
→ プレスリリース 理研・京大