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健診で脂質異常症を指摘されても、8割は未受診<筑波大>
筑波大学は10月8日、健診で脂質異常を指摘された後の医療機関受診率が非常に低い現状を明らかにするとともに、未受診の可能性が高い集団の特徴を見出したと発表した。同大医学医療系/ヘルスサービス開発研究センターの田宮菜奈子教授らの研究グループは、茨城県の国保加入者のうち、特定健診で脂質異常を指摘された人の追跡データを解析。その結果、脂質異常症に関して健診後半年以内に医療機関を受診していた人の割合はわずか18.1%だった。また異常が比較的軽度であった人(LDLコレステロール値が140〜160mg/dL)では15.7%と、より未受診者の割合が高かった。もっとも、異常値の度合いが大きかった人(LDLコレステロール値が180mg/dL以上)においても受診率は23.6%にとどまり、8割近くの人は受診していなかった。さらに、「若年者」「男性」「飲酒習慣が時々ある者」「公共施設で健診を受けた者」「自覚症状がなかった者」「健診で他の異常を指摘されなかった者」「健診前の医療機関受診や薬の処方がなかった者」は、より医療機関を受診しなかったことが明らかになった。研究グループでは、これらの結果について、「受診を促す働きかけに役立つことが期待される」としている。
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