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VPシャント再建待機中の患者死亡事案で報告書<神奈川県立こども医療センター>

神奈川県立こども医療センターは、VPシャント再建待機中に患者が死亡した医療事故について、院内医療事故調査委員会による報告書を昨年12月24日に公表した。水頭症に対する脳室腹腔シャント(VPシャント)の機能不全のため入院した10歳代の男性患者が急激な頭蓋内圧亢進をきたし、入院翌日にシャント再建術を施行したものの、入院19日目に死亡したという昨年2月に発生した事案で、関連のガイドラインやマニュアルが存在しないことから、脳神経外科専門医、小児神経外科学会認定医による見解を評価基準として検討を行った。その結果、再発防止策として、VP シャント機能不全に対し、脳室側シャントの疎通性が保たれている場合には、待機手術が可能であるが、待機中には、患者の特性やシャント穿刺/排液に伴う感染リスクなどを考慮した上で、計画的なシャントからの穿刺/排液を行うこととした。報告書はまた、「高度の専門性という大義の下、診療科間に不可侵のムードが存在し、部署を横断した積極的な関わり合い(診療行為への良い意味での干渉)を阻む構造となっている」という、外部委員会調査結果報告書を引用。入院後に予期していない病態変化を認める場合には、関連診療科の代表が参集して緊急カンファレンスを開催するなど情報共有の機会を設けることが必要であると指摘した。

令和6年2月に発生した 医療事故について