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コロナ禍での高血圧患者の受診控え、低所得層の女性で顕著<東北医科薬科大/東北大>
東北医科薬科大学と東北大学は1月8日、2020年~2023年における高血圧患者の世帯所得と定期受診状況との関連に関する調査結果を公表した。研究グループは、JACSIS研究(日本におけるCOVID-19問題および社会全般に関する健康格差評価研究)のデータを用いて、治療中と回答した高血圧患者 2,832名を対象に世帯所得と定期受診控えとの関連を調べた。318.2万円(中央値)未満を低所得群、それ以上を対照群として分析を行った結果、2020年において低所得群の19.6%が定期受診を控えていたのに対し、対照群では8.8%だった。一方で 2021年以降、高血圧受診控えは大きく減り、世帯所得の影響も消失した。研究グループでは、「この変化から、緊急事態制限などの社会活動制限が、治療中高血圧患者の受診行動に大きな影響を与えていたことがわかった」としている。また2020年の結果については、女性の低所得群は対照群と比較して、定期受診を控えるリスクが 3.14 倍高く、男性(1.21倍)と比べても明らかに高かったこともわかった。研究グループではこの結果について、「COVID-19流行下で女性の家事・育児負担が増加したことが影響している可能性がある」とコメントしている。
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