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自律的にインスリンを放出する人工膵臓を開発<名古屋大学環境医学研究所 他>

6月18日、名古屋大学や東京医科歯科大などの研究グループは、自律的にインスリンを放出する人工膵臓デバイスを開発したと発表した。エレクトロニクス駆動を必要とせずに自律的にインスリンを放出するデバイスは、これまで使用するタンパク質の変性などにより実用化されていなかった。研究グループは、2017年にグルコースに応答する「フェニルボロン酸」を主成分とする高分子ゲルを作製し、マウスによる機能実証に成功していた。
今回の研究では、血液透析用の中空糸をグルコース応答性ゲルでコーティングすることで、インスリン放出効率を飛躍的にアップさせた。また、軽症糖尿病モデルラットに今回開発したデバイスを皮下留置したところ、高血糖が顕著に改善した。糖尿病モデルラットで平均血糖値を正常化したことに加え、低血糖を引き起こさず日内変動指標を大幅に改善したのは、エレクトロニクスフリーなシステムとしては世界初だという。このデバイスが臨床応用されれば、血糖値を低下させるだけでなく合併症予防に有効である可能性や、1型、2型糖尿病のインスリン療法の早期導入につながる可能性があるとしている。

名古屋大学環境医学研究所 プレスリリース【PDF】