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新型コロナウイルス感染症流行時の喘息入院が減少 <東京大学ほか>

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行当初、喘息の入院患者数が増加する可能性が危惧されていた。しかし実際は、国内におけるCOVID-19流行期間の喘息入院患者数が例年よりも大きく減少していたことがわかった。東京大学の宮脇敦士氏らの研究チームが、メディカル・データ・ビジョンの保有する大規模診療データベースを用いた、同社の中村正樹氏、慶應義塾大学の二宮英樹氏との共同研究から明らかになった。
研究では、2017年1月〜2020年5月、喘息による入院患者数の週ごとの推移が継続的に観察できた全国272のDPC病院を対象に調査を実施。その結果、例年春先(3月上旬以降)から初夏にかけて、喘息の入院患者数は増加する傾向にあるにもかかわらず、今年は逆に減少する傾向だったことが認められた。この傾向は18歳未満の子ども、成人共に認められたという。
結果の分析として、COVID-19感染を防ぐための外出時のマスク装着などが、呼吸器のウイルス感染や花粉などのアレルゲンや大気汚染物質などへの曝露を減らした可能性を挙げた。また、COVID-19が喘息発作を増加させる可能性があるという当初の懸念は、禁煙やアドヒアランスの向上、アレルゲンを除去するための掃除頻度の向上など、予防行動を促進したのではないかとも指摘している。さらには、地域レベルの予防策(学校閉鎖、大規模な集会の中止、在宅勤務の促進)や、経済的閉鎖に関連した大気汚染の減少も奏功した可能性があるとしている。

メディカル・データ・ビジョン プレスリリース