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特定健診・保健指導に心血管リスクの低減効果なし<京都大学>

京都大学人間健康科学系専攻医療検査展開学講座特定准教授の福間真悟氏らは10月5日、大規模な健診データを用いて特定健診における特定保健指導制度の効果を検討した結果を発表した。
これまでの効果検証では、特定保健指導(特定健診)を「受けた人」と「受けなかった人」を比較することが多く、「受けた人」はより健康意識が高く、保健指導がなくても生活習慣を改善できた可能性があるとして、福間氏らは「特定保健指導の対象となること」の効果を厳密に検討するため、「基準を少し超えて指導対象になった人」と「基準を少し下回って指導対象にならなかった人」を比べた。
その結果、肥満因子はいずれも低下が見られたが、その効果は短期的なものであり、3~4年後にはほとんどなくなっていた。心血管危険因子については、特定保健指導の対象になることと、実際に指導を受けることによる改善効果は見られなかった。
この結果について福間氏らは、指導対象になった人のうち実際に指導を受けた人が少ないことが影響した可能性を指摘。プログラム実施の費用も高く、国民の健康を改善するためには制度を見直し、より効果的なものにする必要があることが示唆された、としている。

京都大学 メタボ健診・特定保健指導制度の課題を提言 -エビデンスに基づく制度改善に期待-