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砂糖の取りすぎによる脂質代謝異常発症の機序に新パラダイムの可能性<名古屋大学>
名古屋大学は3月26日、砂糖の取りすぎによる脂質代謝異常(脂肪肝、脂質異常症)は、腸内環境の変化が原因とする研究結果を発表した。同大の研究グループは、ラットを、炭水化物を与えたグループとショ糖を与えたグループに分け、その腸内細菌叢を調査。その結果、ショ糖を取りすぎたグループのラットでは、大腸の腸内細菌叢に変化がもたらされたという。また腸内細菌を抗生物質で処理することにより、この変化が、脂肪肝や脂質異常症の原因であることを突き止めたとしている。この結果から研究グループは、腸内細菌によってつくられた何らかの因子が肝臓に作用して脂質代謝異常を起こすという機序が考えられるとし、これは、「フルクトースが肝臓に流れ込むことが脂質異常代謝の原因」とする、これまでの常識(旧パラダイム)を崩す、新パラダイムであるとしている。そして、腸内環境を整えることができれば、砂糖の取りすぎによる脂質代謝異常やメタボを予防できる可能性もあるとの指摘もしている。
→ 研究教育成果情報【PDF】