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スギ花粉症患者、鼻汁の鉛濃度が健常者より40%高い<名大・福井大>
名古屋大学は3月30日、スギ花粉飛散時期においてスギ花粉症患者の鼻腔内では鉛濃度が高く、それが鼻症状を増悪させている可能性を示す研究成果を公表した。スギ花粉症患者と健常者の鼻症状アンケートと被験者の鼻汁の採取とともに、その期間のスギ花粉飛散数を継続的に測定。次に、市販のスギ花粉とヒトサンプルに含まれている鉛・水銀・カドミウム等を測定した。その結果、スギ花粉症患者の鼻汁の鉛濃度は、健常者と比較し40%以上も高く、この鼻汁鉛濃度の増加が、スギ花粉症の鼻症状の増悪と相関する可能性を突き止めたとしている。また、スギ花粉の飛散数と鼻汁鉛濃度の相関関係から、鼻汁に含まれる鉛の一部はスギ花粉由来である可能性も示されたという。アレルギー性鼻炎モデルマウスを用いた動物実験で鼻汁鉛濃度の増加が鼻アレルギー症状を悪化させることも確認された。研究は、同大学院医学系研究科と福井大学医学部耳鼻咽喉科の共同研究グループによって行われた。
→ 研究教育成果情報【PDF】